優秀な管理者の行動特性が把握できていますか

08-10111「リーダーシップ教室」(ダイヤモンド社出版 DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー別冊11月号)なるテーマのビジネス雑誌を手にした。ハーバード・ビジネス・スクール、ロンドン・ビジネス・スクール、スタンフォード経営大学院等の教授陣が「昇進の心得」「チームワークの心得」「モチベーションの心得」など、管理者に求められる能力やリーダーシップ・スタイルについて様々な角度でポイントを整理し、解りやすく理論を展開している。内容についてはここでは触れないが、組織マネジメントやセルフ・マネジメントを含め、自社の成長段階に合わせて、リーダーシップ発揮につながるヒントや管理者育成における問題解決への手掛かりが得られる内容ではないだろうか。
最近、企業を訪問していると組織課題では、マネジメント力の強化が優先順位として高くなっている。共通して出てくる課題はマネジメントの知識やスキル云々ではない、管理者としての考え方や姿勢、行動のあり方である。各企業を取り巻いているビジネス環境の変化が激しい中、今管理者に求められる能力は、“課題を正しく実行するマネジメント”ではなく、自らが課題を発見し、“正しい課題を実行するリーダーシップ”の発揮が強く求められる。特に何が起こるかわからないビジネス環境においては、管理者の適切なリーダーシップの発揮が成長の鍵を握る。過去に経験していない課題の解決や、将来に対する管理者自身の考えやビジョンを描く。答えはないしトップから教えられることでもない、自らが強く思い描き、メンバーに対して常に発信し続ける姿勢が求められる。
組織の成果や風土は、管理者の言動に強い影響を受ける。メンバーへの動機付けはもちろん組織トップの仕事である。優秀な管理者の特性は、組織の目的を理解し、自らビジョンを掲げ、明確な目標が設定されていることである。この3つを組織として部下と共有(理解)し、動機付けし、参画させる関わりが組織トップ(所属長)の重要な役割である。
皆さんの会社は、管理者のリーダーシップの発揮や一人ひとりの能力レベルをどのように見ていますか?
弊社では、管理者に求められる能力を11のコンピテンシーと69の項目で調査する「管理者行動診断」を行っている。優秀管理者か優秀管理者でないかは、その組織によって求められる行動要素が違ってくるが、アセスメントによる優秀管理者の行動特性が特定できれば、これからの育成ポイントも見えてくるのではないだろうか。(菊池政司)