2010年がスタートして既に半月が経過した。雇用環境が厳しい中、採用人数が不確定なまま各企業の採用担当者は2011年度の新卒採用活動を本格化している。“業績の見通しが厳しいから採用をストップする”では将来的に年齢構成の歪みが生じてしまい組織力の低下につながる恐れがある。将来への投資として新卒採用を継続する企業も多いと思われるが、折角採用した新入社員を効果的に育成し、早い段階で社会人としてかつビジネスマンとして戦力化していくことが採用担当者・教育担当者の導入教育の目的であろう。 教育カリキュラムに沿って、社内講師で実施する企業も多くなってきたが、効果的な指導の仕方やいかに学ばせるかについて、考えてみたい。
指導の仕方は大きく分けて2つある。1つは“教える(一方的に伝えるという表現が的確かもしれない)”ことであり、2つ目は“学ばせる”ことである。講師経験がある方は、“教える”ことは比較的容易であることはすでに気づいているだろうが、難しいのは、いかに“学ばせる”かである。新人を早期に成長させるためには、“教える”ことと“学ばせる”ことのバランスを考え指導・育成していくことが欠かせない。
例えばビジネスマナー、経験の少ない新入社員には“型を教えて”徹底的に練習するしかない。“学ばせる”というよりは“教えたことを徹底させる”ことであろう。逆に、営業の場合はどうだろうか?これは、お客さまを通して“いかに気づかせるか、学ばせるか”が重要である。基本は教えるが、“何故”を中心に教え考えさせることが必要である。新入社員の段階では、すぐに成果を期待するよりは、お客さまから学ぶ機会を多く創り失敗を繰り返して学ばせることが成長につながる。
“学ぶ”ことは本人の成長に欠かせない。教育担当者としては“学ばせる”ことに重点を置いて指導、育成していく事をお勧めするが、“学ばせる”ためのコツは、コーチングと同じで、かなりの“我慢”を要するかもしれない・・・。(菊池政司)