新社会人になって1ヶ月、入社時の基礎研修もそろそろ終盤を迎え、いよいよ5月から営業担当者として一人でお客さまを訪問するという方も多いのではないか。今回は、お客さまとの初回面談に成功する確率を上げ、2回目の訪問につなげることができるようになるための手掛かりをご紹介したい。
まず、営業担当者の仕事の目的は、 “お客さまの問題解決を通して満足を提供することにより利益を創造する”である。ところが、新人営業担当者が陥りやすい行動は自社商品やサービスを“提案する”ことに時間を掛けてしまう。初回訪問でのお客さまに対する緊張のあまり“話をしないといけない・売り込まないといけない”という思いが“説明する・提案する”という言動に表れてしまうのである。これでは初回面談でお客さまとの間に良い関係が構築できずに面談に失敗し、2回目面談の約束が取れない結果となる。
お客さまとの“問題を合意する・共有する”ためには、色々な情報を聞き出す作業が必要である。そのためには、お客さまと間に本音でフランクに話が出来る“良い関係”を構築しておくことが必要である。すなわち“信頼の確立”である。
信頼の確立の第一歩、それは「共感を伝える」である。人との会話において“対話”が上手な人は、この共感を伝えるスキルがかなり高いと思われる。さて、共感を伝えるとは一体どうやって・・・?
それは、“お客さまの立場に立って疑問を想像し、想像したことをお客さまに伝える”ことである。例えば、営業担当者の初めての訪問に対し、「何のために来るのか? 他社とどこが違うのか? どんな実績がある会社か?・・・」などは、お客さまからすると当たり前に抱く疑問である。だとすれば、素直にそのお客さまの疑問を伝えてみることは有効であろう。お客さまも営業担当者自身も緊張感を下げることができ、落ち着いた雰囲気でお客さまの疑問に答えることができる。 これが信頼の確立の第一歩である。
“共感を伝える”メリットは、疑問を想像することで、予めお客さまが知りたい答えを準備できる点である。 特に新人営業担当者の皆さん、使ってはみてはどうだろうか。(菊池政司)