新入社員の育成や定着、どんなことに取り組んでいますか?

 「東北地方太平洋沖地震」で被災された皆様にお見舞い申し上げますと共に、被災地の一日も早い復興を心より願っております。

その中、今年4月には様々な期待や希望・不安に胸を膨らませ、新入社員が社会人としての第一歩を踏み出した。“学生から社会人へ・・・”学校の“勉強”とは違い、企業研修の目的や進め方、初めて知る言葉等に戸惑いはあると思うが、新入社員の皆さんには若いエネルギーと貪欲さで多くのことを吸収して欲しい。

さて、最近の傾向として、入社時の導入研修期間を少々短縮する動きが増えてきたのではないだろうか。現場を何も経験しないうちに知識だけを増やしても実践とのギャップが生じたり、仕事のイメージができない段階での知識教育では理解力が深まらないといったことも理由の1つであろう。現場も人員に余裕はなくギリギリの人数で回しており、早く新入社員を配属して欲しい実情もある。
 決して長い期間、手厚く導入研修を実施することが新入社員にとって必要ということではなく、現場が教育部門と連携して、新入社員を育てていく体制が整っているかどうかが重要である。もし、現場の受け入れ態勢が整っていない、あるいはOJTやブラザー・シスター制度がルールとしては存在するが、現実的には機能していない、といったことがあれば、そこが大きな問題である。もちろん新入社員の成長や定着に大きく影響する。

 ところで、新入社員の育成や定着について、何か取り組んでいることはあるだろうか?

大多数の企業は配属後3ヶ月や6ヵ月後のフォローアップ研修を再度集合して実施する、あるいは現場でのフォローは所属先の先輩や上司の方針に任せ、教育部門からのきめ細かなフォローが物理的にできないというのが大半ではないだろうか。
 これまでに多くの新入社員研修やフォローアップ研修を実施してきたが、一番効果があるのは、同期同士の情報共有(成功・失敗)ではないだろうか。

 同期同士が、自ら立てた目標をお互いにフォローし、互いにフィードバックし合う環境が整えば、教育部門や上司の手を借りることなく、自分たちで刺激し合い自主的なPDCAが回り始めるのではないだろうか。新入社員同士がお互いに成長を共有し、学び合う文化が築かれるようになると定着も期待できる。そのPDC“F(フィードバック)”Aの仕組みを、ある道具を使って創ってみるのはいかがでしょうか。(菊池政司)
新入社員の育成や定着、どんなことに取り組んでいますか?