「日本人の礼儀(幕末明治の外国人が見た日本)」

  2011年3月11日に「東日本大震災」がおきた。地震・津波・原発事故が次々と起こり、未曽有の災害となった。この時、日本人は冷静さを失わず規律ある行動をとった。被災地でおいてさえ、公衆電話やコンビニの前に整然と並んだ。この礼儀正しく秩序ある光景に、世界中が称賛の声を上げた。幕末明治期に日本を訪れた西洋人の多くも、日本人の礼儀正しさに驚嘆した。

「世界中のいかなる国民でも、礼儀という点で日本人にまさるものはない。身分の低い百姓から最も身分の高い大名に至るまで大へん礼儀正しい。われわれは日本国全体を礼儀作法を教える高等学校と呼んでもいいであろう」(エンゲツト・ケンペル:ドイツ/医師)

「通りがかりに休もうとする外国人は例外なく歓待され”おはよう“という気持ち良い挨拶を受けた。この挨拶は、道で会う人、野良で働く人、あるいは村民から絶えず受けるものだった。」(ジョン・レディ・ブラック:イギリス/ジャーナリスト)

「日本人の挨拶は心底から生じる礼儀であり、日本人の真の親切心に根ざすものである」(バジル・ホール・チェンバレン:イギリス/日本学者)

「日本には、礼節によって生活を楽しいものにするという、普遍的な社会契約が存在する。誰もが多かれ少なかれ育ちがよいし、「やかましい」人、すなわち騒々しく無作法だったり、しきりに何か要求する人は嫌われる」(エドウイーン・アーノルド:イギリス/随筆家)

  幕末明治に来日し滞在した外国人はおしなべて、日本の自然と豊かさ、そして自然が育んだの日本の文化に好感もった。更に、質素で謙虚な日本人、とりわけその礼儀礼節に驚嘆した。

  文明開化という名の西欧化により、豊かな物質文明を指向した日本であるが、江戸期には大変高度な精神文化が存在し、識字率はとびぬけて世界一だった。明治時代に文明が開化したのではなく、すでに江戸期には文化水準の高い文明国であった。

ラーニング・システムズ
高原コンサルティングオフィス

高原 要次