日本のGDPが昨年ドイツに抜かれ、世界第4位になった。急速に進む円安が影響しているとはいえ、経済面での停滞のあらわれである。日本は1968年に西ドイツを抜き、アメリカに次ぐ世界第2位になり、この順位は長く続き経済大国と言われた。そして、2010年に中国に抜けれて第3位に、昨年ドイツに抜けれて第4位、そして来年2025年にはインドにも抜けれ、第5位に沈む・・・。我が国は、このまま「失われた10年」、「失われた20年」、「失われた30年」、・・・と続くのであろうか。
今国内では、政党派閥の裏金問題が大きな話題であり、政党内での裏金つくりのからくり、そしてそれに関わる政党リーダーの説明能力のなさ、責任感や倫理観の欠如、自己保身のための不誠実な姿勢に、落胆を禁じ得ない。
この国は課題山積である。①国の周辺には、所謂独裁者といわれるトップが率いる侵略国家が虎視眈々と我が国を狙っている。この国の、国防・安全保障をどうするのか?同盟国という米国にすべてを依存していていいのか?②食料自給率は3割を切っている。コメ以外の殆どを輸入しているのに、テレビでは多くのグルメ番組や料理店の紹介番組が放映され、贅を競っている。③石油・石炭・LNG等のエネルギーや鉱物資源は、その多くを海外に頼っている。戦争や危機が頻発する情勢で、調達ルートや外交はこれでいいのか? このような問題を、国政レベルで十分な解析、効果的な立案を行い、実践する。それを、リーダーとして行うのが政治家ではないのか。
翻って、ビジネスの現場で経済活動の実際を行うは一人ひとりの国民であり、政治家を選ぶのも選挙人たる国民一人ひとりである。この一人ひとりの国民のレベルや民度が近年落ちてきているように感じる。
人としての「ありよう」である「正心誠意・致知格物」、修行としての仕事観、「徳」の概念、を忘れ去り、「得か損か」・「楽か苦か」で判断し、「今だけ・金だけ・自分だけ」という極めて嘆かわしい精神構造になっている。まさに、日本人は劣化している・・・。
ラーニング・システムズ
高原コンサルティングオフィス
高原 要次