2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン博士の「年収と幸福」に関する研究調査(アメリカ人45万人の調査)によれば、年収が多ければ多いほど「生活評価」は高まるものの、「幸福度」は年収7万5千ドルで頭打ちになるとのこと。
また、「幸せと感じられる時間」や「不機嫌な時間」が日常生活の中でどれくらいあったかを調査する数々の研究では、幸せともっとも大きな相関関係があったのは、「睡眠」と「上司」であることがわかった。
幸福にも「人生そのものに対する総体的な評価」、「日常生活における評価」の二種類があると言われるが、日常生活においては、十分な睡眠と毎日顔を合わせる上司の影響力が甚大だった。しかも、カーネマン博士によれば「結婚」が幸せに与える影響すら、「上司」の比ではないのだそうだ。
自分だけの価値観をしっかりと持って、日常生活を大切にして生きて行かなければ、いくら出世しても、収入があっても、幸せを実感して生きることは難しいと言う訳である。
生きていくために必要な身体の働きのほとんどは、交感神経と副交感神経によってコントロールされている。交感神経が「緊張と闘争のシステム」であり、副交感神経は「リラックスと休息のシステム」である。身体にとってはどちらも必要なシステムだが、ストレスが過剰で交感神経が優位になりすぎると健康を維持するのが難しくなってくる。健康で長生きするためには、副交感神経が優位な方が有利である。いわゆる“ごきげん”な人は、「脳がリラックスしていて、自由な発想ができる状態」であり、副交感神経が優位な状態である。“ごきげん”だからこそ、よいアイデア、新しいアイデア、奇抜なアイデアが浮かびやすし、リスクを恐れず困難なこと、新しいことにもチャレンジできる。
しかし、いろいろなことにチャレンジすると失敗することも多くなる。しかし、それらのちょっとしたトライや失敗で命を落とすことはないであろう。幸せで健康であれば、また何度でもチャレンジしてやり直すことができる。要は、そんなふうにポジティブに考えられるかどうかである。
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