五倫(ごりん)は、儒教において主として孟子によって提唱された5つの道徳法則である。
「父子有親,君臣有義,夫婦有別,長幼有序,朋友有信」
父子の親・・・父と子の間は親愛の情で結ばれなくてはならない。
父親は男子、特に長男に対して厳しく育てようとするし、子は時として反発もする。
父と子の間には親愛があればいい。しかし、それがなければ、うまくいかない。
君臣の義・・・君主と臣下は互いに慈しみの心で結ばれなくてはならない。
義とは、他人に対して守るべき正しい道であるが、君主と臣下の関係ではそれを行うにおいて、
お互いに慈しむ心が必要である。
夫婦の別・・・夫には夫の役割、妻には妻の役割があり、それぞれ異なる。
夫には父性としての義愛が、妻は母性としての慈愛が必要であり、夫婦の役割は異なるのである。
長幼の序・・・年少者は年長者を敬い、したがわなければならない。
何しろ、長く生きているということは、そのことだけで尊い。年長者を敬うのは当然である。
朋友の信・・・友はたがいに信頼の情で結ばれなくてはならない。
「朋」とは学びを同じくするもの。「友」とは志を同じくするもの。そこには、信頼がないと朋友にはなり得ない。
戦国時代にあらわれた孟子においては、秩序ある社会をつくっていくためには何よりも、親や年長者に対する親愛・敬愛を忘れないということが肝要であることを説き、このような心を「孝悌」と名づけた。そして、『孟子』滕文公(とうぶんこう)上篇において、「孝悌」を基軸に、道徳的法則として「五倫」の徳の実践が重要であることを主張した。
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