「グリーン・ニューディール」とは、「環境保全・再生可能エネルギーなどの産業分野に大規模な投資を行い、新たな雇用を創出し、経済活性化を目指す政策。従来の道路・ダム建設などの公共事業ではなく、環境ビジネスに投資することで、地球温暖化対策など環境問題への取り組みと経済再生の両立をはかるものとして期待されている。太陽光・風力・バイオマスなど再生可能エネルギーの利用拡大、電気自動車・プラグインハイブリッド車・燃料電池自動車などの次世代自動車の開発・普及など、さまざまな取り組みが各国で行われている。基本的な柱は、再エネと省エネの導入拡大による景気回復(雇用拡大)と温暖化防止である。“2050年、カーボンニュートラルの実現”に向けての、世界的な取り組みである。
2017年のノーベル経済学賞は、行動経済学のリチャード・セイラー(米シカゴ大学教授)が受賞した。彼は、人間の本質として ①短期的視点しか持たない ②得よりも損を気にする ③不公平に敏感 の3つを挙げている。
①気候変動の被害が深刻になるのは将来 ②気候変動の対策には膨大はコストがかかる ③気候変動対策をやっている国とやっていない国がある、 と多くの個人が感じているならば、パリ協定で設定した2100年までに地球の平均気温の上昇を、産業革命以前に比べて2℃以下(努力目標は1.5℃)に押さえようという目標を掲げても、真剣にはならない。また、“地球にやさしく”という言葉や、“SDGs”のバッジをつけても、各人の行動スイッチは入らない。
やはりこれは、各人の心がけやスローガンだけではなく、例えば国として地球的視野・長期的視野にたって、ジャスティス(正義)を発信し未来社会のことを真剣に考えて、義務化しなければ、実現しないのではなかろうか。果たしてそれが、この国で可能か・・・。
それを法律という制度にまでした「国(カントリー)」が地球上に1つだけ存在する。ウエールズである。2015年に制定した「未来社会の豊かさと幸せに関する法(Well-being of Future Generations Act)」であり、これは「政府や地方自治体などのすべての公的機関はでの意思決定において、未来世代の利益が十分に検討されているかの検討が義務づけされた法律」である。
我々は日本人として、また地球人として、次の世代に対して、未来に対して良い環境を残す責任がある!
ラーニング・システムズ
高原コンサルティングオフィス
高原 要次