ビジネスで成果を上げていくためには、インプットしたものを周りの相手(社内の上司や他部門、お客様)に伝えたり、自分なりに表現していくことが必要になる。すなわちアウトプット力が求められる。
しかし、十分に思考を重ね咀嚼してアウトプットしようと思った時には一歩出遅れたり、物事が消化不良のままでは表現することに躊躇いを感じたり、自分が思っていることを上手く相手に伝えたり表現することができない、つまりアウトプットが苦手だという方は多くいるのではないだろうか。例えば、仕事の場面ではこのような・・・。
・何を言いたいのかわからない上司がいる
・何を報告しているのかわからない部下がいる
・同じ話を何回も繰り返してしまう
・お客様に自社や製品・サービスについて上手く紹介できない
・やりたいことを提案しても上司を上手く説得できない
この原因は、考え過ぎてしまう・・、他人の目を気にし過ぎる・・、インプットが足りていない・・、等考えられるが、そもそもインプットした情報を頭の中で整理する作業、つまりアウトプットのための思考法が身に付いていないという点にあるのではないだろうか。
アウトプットのための思考法の組立は3つ、①何を話そうかを決める→②どのように話すのかを整理する→③話に情報を流し込む、という流れになる。
まずは「何を話すのか」聞き手に合わせて伝えたいポイントを明確にすること、次に「どのように話すのか」例えば話の塊として3つに分割する、そして「話に情報を流し込む」これまでにインプットしてきた情報や経験を聞き手に合わせた内容で膨らませる、という作業(思考法)である。このような思考法は、左脳と右脳を効果的に組み合わせて考えることになり、話に“構造”を持たせることができるようになる。これが“明確さ、簡潔さ、インパクト”のあるアウトプットになるのである。特に「どのように話すのか」の3つの分割について、アウトプットの武器となる3つの道具(プラン)に絞って紹介する。
「時のプラン」 → 時間軸・時の流れに沿って (例)過去・現在・未来
「場所のプラン」 → 場所の相違で (例)東京・ニューヨーク・ロンドン
「三角形のプラン」→ 3つの視点・側面で (例)鳥の眼・虫の眼・魚の眼
いずれも関連のある3つのキーワードで分割し、話に流れを持たせることで明確さ、簡潔さ、インパクトが伝わり聞き手の理解を助けてくれる。ビジネスでは、時間的余裕がある中で、じっくり考えてアウトプットする場面もあれば、会議やお客様との面談においては、その場で素早く決断してアウトプットしなければならない状況もある。紹介した思考法でアウトプットする習慣を身に付けておくと、あらゆる場面で対応できるようになり、咄嗟の場面でも自分の考えを素早く的確に相手に伝えることができるようになる。
アウトプットが苦手と感じていたり、どうしても相手に上手くえることができない方には、是非、この思考法を習慣化することをお勧めしたい。
思考法の向上が→アウトプット力に向上につながり→パフォーマンスを向上させる。
期待するビジネスの成果につながるのではないだろうか。
(パフォーマンス・コンサルタント 菊池政司)