4月10日に国立社会保障・人口問題研究所から公表された2015年までの実績値をもとにした「日本の将来推計人口」によると、日本の総人口は1億2,709万人(2015年)から2053年に1億人を下回るという予想である。さらに2065年は8,808万人、2065年の老年人口の割合は実に38.4%(2.5人に1人が65歳以上)という推計である。5年前の推計と比較して人口減少の速度や高齢化の進行度合は緩和しているというが、おおよそ2010年から始まった人口減少と高齢化の流れが急激に変わることは考えにくいし、さらに深刻なのは労働力人口(生産年齢人口)の減少である。
この人口が減少する流れの中で「働き方改革実現」に向けた官民挙げての活動が本格的に動き始めた。人口増加と高度経済成長の長時間労働が当たり前であった時代の働き方とは全く違った、労働人口減少の中の生産性向上に向けた一人ひとりの働き方に対する意識と行動が必要である。
では、“働き方改革”“生産性向上”“長時間労働解消”と一口に言っても、その解決策には特効薬はなく短期間で簡単に変わるものではないだろう。組織的には制度や仕組みやマネジメントシステムを整備していくことはもちろんであるが、一人ひとりの取り組みが解決策となることもあるのではないだろうか。その1つが、「GTD® Getting Things Done®」“仕事の整理術”だ。長時間労働や生産性が上がらない原因は、頭の中が「あれも重要これも重要」となり、気になることに向き合えず、結果的にそれがストレスとなって“本来やるべきことに集中できていない”状態になっていることが多い。頭の中を空っぽにスッキリさせ、効率的に創造的に仕事を片付けていく仕事術、 それが「GTD® Getting Things Done®」である。
生産性向上のポイントは次の5ステップにある。
●把握する: 新たに発生する仕事、気になる事をすべて集めて把握する 。
●見極める: 行動が必要なものかどうか、どのように行動するかを見極める。
●整理する: いつでも行動または処理できるように、整理しておく。
●更新する: 定期的に最新の状態に、収集~収納するまでを行う。
●選択する: 状況、優先順位に合わせて最適な行動・処理を選択する。
長時間労働の解決にGTD®は間違いなく力を発揮する。
時間が永遠にあると思っていれば、戦略や仕事の効率を考えることなくダラダラと仕事をしてしまい生産性は上がらない。限られた時間の中で、本来やるべきことに集中できる。それは「行動」に焦点を当てて管理していくことにある。
24時間戦っていたその相手(仕事)、8時間で倒し(片付け)ましょう。
(パフォーマンス・コンサルタント 菊池政司)