20:80の法則を打ち破る営業担当者になる

 営業活動で外を歩いているとすでにノーネクタイのビジネスマンが目立ち始めた。4月の新年度スタートから気がつけばすでに1ヶ月、もうクールビズの季節である。新入社員の営業マンの姿もそろそろ見かけるようになってきた。5月は梅雨を前に季節の変わり目で様々な変化が起こりやすい月でもある。スピードに乗れるか、世間一般に言われる“5月病”でモチベーションを下げてしまうか、自分自身も期首に設定した目標達成に向けて成果につながるよう自己管理をしっかりやっていきたい。

 さて、世間一般には20:80の法則なるものがある。何にでも当てはまるのだが、営業の数字に置き換えて考えると、担当している「20%の顧客で売り上げ全体の80%の割合」を占めている、というものである。翻って、自分に当てはめてみると、ほぼ近い数字になる。これは、営業の訪問活動で見れば、明らかに訪問が偏っているということでもあり、“行くべき”お客様を訪問せず、“行きやすい”お客様を訪問している行動傾向が見えてくる。

20:80のままでは限られた顧客の業績によって、将来、営業担当者の成果に大きな影響を与えてしまい安定した成果も見込みにくい。偏り訪問を無くし、ターゲッティングをした顧客に対して苦手意識を持たずに訪問することが成果につながり、20:80の法則も打ち破ることができるのでないだろうか。

 1つの解決策として、パーソナル・スタイル対応がある。このパーソナル・スタイルを意外と無意識に、いつも同じパターンでお客様に接し、波長が合わなかったりスピード感が合わずに面談を進めてしまい、何とも言えないギクシャクした雰囲気で面談が終わってしまう営業担当者も多い。パーソナル・スタイル対応とは、お客様がやって欲しい対応、つまりお客様の言動パターンが持つ個別ニーズ(傾向)に合わせた進め方と対応をする、ということである。

 弊社では、このパーソナル・スタイルを4つの言動傾向で分類している。お客様をよく観察していると、例えば、話すスピードが速く、言葉も断言傾向が強い、さらに感情表現は少なく、一言で言うと“厳しい”印象のお客さまは、「行動派」と位置づける。このお客様には、素早い対応と即断即決、営業担当者の有能さを示すことも必要である。このようにお客様の言動傾向を理解し、個別ニーズに合わせた対応能力を身につけることができれば、苦手意識も無くなるのではないだろうか。他の3つのスタイルは「感覚派」「協調派」「思考派」に分類しているが、それぞれ違った特徴がある。まずは、自分自身のスタイルを理解し、お客様のスタイルに合わせて一時的に対応を変えてみることが、これまでの面談とは違った雰囲気になるのではないだろうか。

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 営業に配属になり、これから初めて営業に出る方や、これまでの営業パターンを変えたい方は、意識的に言動を調整してみることが解決の糸口になるかも知れません。

                                                               パフォーマンス・コンサルタント

                                                                          菊池 政司