長時間のダラダラ会議、まだ続けますか・・・?
復興財源の確保、原発稼働問題、米軍基地移設問題・・・。日本は今解決しなければならない数多くの難解な問題を抱えている。しかし、一向に解決の兆しが見えない。様々な利権が絡んで全くまとまらない。まさに「会議は踊る、されど進まず」である。同じ現象が企業内でも起こってはいないだろうか?
新規プロジェクトの立ち上げ、新戦略・提案を練る、問題に対する解決策を考える等、企業活動において重要な局面では、多くの人間の意見をまとめ結論へ導く必要がある。しかし、重要な局面であればある程、場が硬直し会議が長時間に及び最後には特定の人の意見に流されがちになり結論は結局出ない・・・。このような場面に遭遇した経験は少なからずあると思う。では多種多様な考えを持つ人々の意見をうまくまとめ、結論へと導くにはどうしたらよいのだろう。
「思考の品質」を上げる、効率的に考え結論に導くための思考法を修得し、個人と組織の「考える」品質を高めること、である。自説にこだわらずバランスのとれた多角的な考え方を身につければ、今よりももっと生産的な活動が可能である。では、具体的にはどのような方法があるのだろう。
今回は一つの方法として「STHシックス・シンキング・ハッツ」を紹介したい。混乱しがちな思考を6つのパターンに分割し組み合わせてシステマチックに活用するやり方である。「思考の管理」「感情、直感、本能」「リスク、障害、問題点」「情報、データ、事実」
「利点、価値、実現の可能性」「新たなアイデア、代替案、可能性」。この6つの思考パターンに
分けて結論へ導く方法だ。なぜ思考を分割することが効果的なのかというと、固定された考え方を取り払うことができるからである。常に楽観的な思考をする人もいれば悲観的な思考をする人もいる、新たなことに目を向ける思考の人もいれば前例を重視する思考の人もいる。そういった考えに縛られず多角的にバランスよく考えることが可能になる。
次回は6つの思考パターンを使った会議の進行法について紹介したい。(川口和華)