ラーニング・フォーラム2015 “「覚悟の経営、“学び”をマネジメントする」” 開催のご報告

開 催 日 2015年8月4日(火) 13:00~17:30
開催場所 福岡国際会議場 501会議室

フォーラム全体写真

1.『オープニング』 ラーニング・システムズ株式会社 代表取締役 高原 要次

●“覚悟の経営”
開催趣旨
  “覚悟”とは、来るべき困難なことに対して、それを受けとめる心構えのことを言うが、仏教では、真理を悟る、真理に目覚めることを意味する。企業経営には困難がつきものですあり、困難を克服する、問題を解決することこそ経営。そして、視点を高くして考える時、時間軸を長くして時代を考える時、困難の度合いは大きくなる。
  “新しい明日”を創る覚悟が必要であり、覚悟無きものは国のリーダー、企業のリーダーにはなれない。それは、“人づくり”においても同様であり、国の根幹は“人”、会社のベースも“人”である。人の成長
なくして組織の成長はありえない。“学び”をマネジメントして、真剣に“人づくり”を行う、その覚悟が問われる。

 

2.『覚悟の経営』
株式会社指宿ロイヤルホテル 代表取締役会長 有村 佳子 様

●夫、有村芳郎氏の遺志を継ぎ、困難と苦悩を経て夢を実現。
その「生き方」から、組織のリーダーとしての“覚悟”を学ぶ。

  亡き夫の3つの夢、「①日本ホテル協会に加盟できるような立派なホテルを創る、②焼き物の窯をつくる、③温泉熱による水耕栽培で、観光と農業が一体となった地域振興に取り組む」。その実現に向けたこれまでの壮絶な人生を、自らの人生観と経験で、魂を込めてご講演頂いた。身体も弱く、困窮を極める少女時代、「佳子ちゃんはお顔がいいし、笑ったらかわいいのに、どうして笑わないの」と不思議がられるくらい笑顔のない苦しい生活、“母親を絶対に困らせたくない”という一心で、家の手伝いや弟の世話をしていた青春時代。家計を支えるために、三井信託銀行に就職。1年後に結核を患い、療養先の桜町病院で入院中だった東大生と知り合い婚約するが、結核により他界してしまう。

  お世話になった方へのお知らせのために送った手紙に返信のあった通知先の一人が、夫・有村芳郎であった。父親の強い勧めにより結婚するが、そこから三つの夢の実現向かって、窯づくりが順調にスタート。穏やかな日々もつかの間、「次はホテルだ」の芳郎氏に強硬に反対するも、“一番の夢”のホテル事業が始まった。命をかけたホテル事業への思いに納得し、同じ夢を見る決意し、昭和48年指宿ロイヤルホテルを開業するが経営は火の車であった。3つ目の夢である水耕栽培“ハイポニカ”、環境と農業が一体となった実験農場がスタートしたばかりの時、芳郎氏の容態が急変し、53歳で亡くなった。

  膨大な借金を抱えて経営が行き詰まっているホテルを昭和57年、41歳で引き継ぎ、世間の目と何よりも従業員の目を気にしながら経営、ホテルの処分も考えた。その弱みにつけ込んだホテルの乗っ取りにも、従業員の「一緒に頑張りましょう」の声に決意、従業員との強い絆のもとにホテルの再建を決心できた事件でもあった。「覚悟の経営」リーダーとしては、『決断と命令、さらに全責任を負う』。経営者としての大切な仕事をこの“乗っ取り”買収騒動の経験から学んだ。

  参加者からのリーダーとしての覚悟に対する質問に、「頭ではなく心にわいてくる言葉を語りなさい。」はまさに、“覚悟の経営”を貫いてきたリーダーの心に突き刺さる答えであった。

3.『学び成長して、社会システム変革への貢献』
株式会社麻生情報システム 代表取締役社長 瀧中 秀敏 様

  前社長の訃報、突然の社長就任、自分しかいないという“決断”のもと、麻生情報システムの“覚悟の経営”が始まった。麻生情報システムに対するそれまでのマイナスの印象を変えるべく「自信の持てる会社、元気な会社にしたい」という強い想いで、

   1年目・・・「あいさつをキチンとしましょう!」「プロフェッショナルになりましょう!」
   2年目・・・「コミュニケーションを増やしましょう!」

をとことん実践、業績と社員のモチベーションは上ってきた。経営理念と合わせ、『経営信条』に、“健全なビジネスを進めていくためには社員一人ひとりの「心・技・体」を伸ばすべし”を掲げている。

   【心】:社員のメンタルヘルス
   【技】:社員の教育→社内にCKO(Chief Knowledge Officer)を組織化
   【体】:社員の健康増進

  成長方針に“真のプロフェッショナルたれ”を掲げ、社員一人ひとりが自ら成長する、成長の気づきを与えることを徹底している。

「私の経営哲学」
   ●リーダーシップとは・・・「人に感動を与え、影響力(共感)をおよぼし、行動を変える
   ●三つの大事にしていること・・・逃げないこと、ブレないこと、一人称で考えること
   ●目指す姿・・・徳のある人「常に他人を思いやり、他人の為に惜しげもなく自らの力を差し出すことのできる人」
   

4.『ラーニング・システムズからの提言』~“学び”を、マネジメントするシステム~
ラーニング・システムズ株式会社 営業部長 菊池 政司

●“学び”とは
自分自身が行動やものの見方を変え、さらには、他を変えること
●“学び”のマネジメント
①問題の把握
②学習環境のデザイン
③経験の場の提供
④成果の検証
●“学び”の2つのツールの紹介
①パフォーマンスの問題をスキルベースで把握する「SSR営業スキル調査」のデモンストレーション体験
  “信頼の確立”“問題の共有”“提案の説明”“不安の解消”の4問でスキルレベルの確認を体験した。

②自己のパーソナリティを理解してマネジメントの質を向上させる「Facet5 パーソナリティ診断」の紹介
  実例とともに、効果的な仕組みについて紹介した。

5.『コンサート』”Bella Vita”~美しい人生~
フルート:中西久美さん ピアノ:岡直美さん ボーカル:西島幸宏さん

   フルートとボーカルの絶妙なコンビネーション、語りを加えた曲の意味や俳優の人生、特にアンコールの情熱大陸は圧巻。フォーラムがまさしく情熱と一体感の雰囲気の中、盛大な拍手で終了した。