投稿者のアーカイブ

2012年9月 “「国境なき科学」プロジェクトに思う”

2012年9月28日 金曜日

 8月17日~29日、鹿児島大学の仕事で学長とともにブラジルに行った。アマゾン河口の街ベレンと、ここから300キロ離れたトメアスー移住地、そしてブラジリア近郊のセラード開発の現場の視察である。目的は、昨年から実施している学生南米研修の候補地拡大の検討と、アマゾナス連邦農科大学との学術交流・協同研究の可能性を探ることであった。 

  このアマゾナス連邦農科大学や、ベレン、サンパウロの領事館で耳にしたのがブラジルの「国境なき科学」プロジェクトである。このプロジェクトは、理系分野のブラジル人学生を5年間で約10万人、ブラジル政府の奨学金で国外に留学させ、ブラジルの科学技術発展の促進と競争力の強化を図ろうとするものである。日本も、年間約1千人のブラジル人学生を受け入れることが、両国の外相会談で合意された。 

                           【アマゾナス連邦農科大学で】

  翻って我が国の教育政策。子供手当や高校の授業料免除で、果たして科学技術の発展や競争力強化につながるのであろうか。

 世界経済フォーラムの競争力リポートによる数学・科学教育の質のランキングでは、1位はシンガポールで日本は27位である。また、2050年には日本は国内総生産の規模でインド、ブラジル、ロシアに抜かれるという予想である。

 教育を変え、競争力を強化するには20年、30年の歳月がかかる。長期的な視点から国力と技術力を考え、危機感を持って科学技術の研究開発を戦略的に取り組む必要があるように思う。

 大学進学率が50%を超える国は異常である。2割のエリートを、その中から更に2割の超エリートを作って行く。その育成に投資するように教育政策を転換するべきではなかろうか。抜きんでたリーダーが排出する。先端技術で、断トツの位置を確保する。さらに理想を言えば、国民は「仁」「義」「礼」「信」「智」をわきまえ、世界のモデルになる国、それが日本!

                                                               

                                                   

 

【アマゾン河で】

         

                                                      ラーニング・システムズ株式会社

                                                        代表取締役社長 高原 要次

今月の視点 9月「くつろぎの空間」を更新いたしました

2012年8月31日 金曜日

こちらからご覧いただけます。 >>詳しくはこちら

2012年9月”まだまだ続く再会”

2012年8月31日 金曜日

学校教育を終えて社会人となると、同窓会の案内状が送られてくるようになります。そして小学校、中学校、高校、大学と時代毎と、“~周年”ということで案内があります。人によっては大きくなるまで同じ土地で過ごす事もありますが、私はそのときの環境がそれぞれで違っていたので、再会するクラスメイトが違います。ですから出来ることならその時代毎に参加出来たらと思います。とても懐かしく昔を思い起こすきっかけになるので楽しみです。

 

  今年の夏は、‘高校時代’のクラス同窓会が、故郷で開催されました。尊敬する担任の先生も82歳という御高齢にもかかわらずご出席の由、喜んで参加の意思を伝えました。51人中25人の参加でしたが、いつものように昔を懐かしみ、近況を報告した後はそれぞれ楽しい談話が続きました。数十年経ってから初めて知る当時のエピソードは意外にも多かったです。母校の代表的課外活動として桜島1周(約37km)を制限時間男子7時間、女子8時間以内にゴールするという伝統行事があります。そのとき男子の中で水筒の中に焼酎を入れて行ったというのです。その他には大学入試で泊まった旅館の壁を壊してしまい、バレないようにその穴をいろんな物でふさいで帰ったとか。。。。「そんな事があったの?全く知らなかったよ!」とびっくりしましたが、時効なので笑って聞けます。まだまだいっぱい有りそうですね!初めて参加する女性は大病を患った後、クラスメイトに会いたくなったそうです。全員が持ってる共通の話題もありました。「私たちは数学の担任に鍛えられたけど、教えられた訓示が今でも生きているのだと。」「だからいつまでも先生に会うのが嬉しく感謝の意を伝えたくなった。」

 

 私が通った高校は開校して今年で50周年と、若い高校です。綱領は、明治維新期の三人の偉人が重んじた精神、すなわち福沢諭吉の“自主独立”、吉田松陰の“好学愛知”、西郷隆盛の“敬天愛人”からとったものです。初代の校長が素晴らしいとずっと姉から聞いていたので、私も同じ高校に進学しました。

同窓会に姿を見せるのは、「今の自分が幸せだと思っている人」・「成功して活躍している人」が殆どだと思っていました。でも振り返ると、楽しかった!で纏められるクラス会も、気づかないで終わりがちですが、きっと自分の存在を確かめるために参加する人もいるんだなと思いました。次回はもっと多くの旧友に会えそうで楽しみです。

これから未来に向け節目毎に開催されるこの同窓会は、新鮮な再会となることでしょう。(原口佳子)

 

事例紹介『販売力強化研修:サービスステーションの販売力・サービス力向上』を更新いたしました

2012年8月3日 金曜日

こちらからご覧いただけます。 >>詳しくはこちら

今月の視点 8月「解決への手かがり」を更新いたしました

2012年7月31日 火曜日

こちらからご覧いただけます。 >>詳しくはこちら

2012年8月競争社会を生き抜くために必要なことは?

2012年7月31日 火曜日

止まらない原油高騰、欧州経済危機、エネルギー問題、一向に回復しない景気・・・。世界そして日本を取り巻く現況は、決して安心できるものではなくまた、今後の見通しも明るくない。そのような状況下、ビジネス社会はどうだろう。政治経済の影響を受け大きく変化し、競争も激化している。その中に居る我々がこの時代を生き抜いていくためには、

自ら武器を携え自分自身で活路を切り開いていくことが必要である。

 では、ビジネス社会における武器とは何か? 例えば

①表現する:自分の考えを素早く説明し、相手に分かりやすく伝える

②思考する:早く、効果的に、筋道を立てて考える

③交流する:社内外の人と良好な関係を築く

 他にもあるが、ベーシックかつ全てのビジネスマンに共通して必要な武器は上記3つであろう。①②③ともに我々の成果やアウトプットの品質を良くするものであり、日常業務の中で必要なものである。特別な状況で求められるものではない。

 しかし全てのビジネスマンが3つの武器を携えているかというと、そうではない。日常において求められる能力ほどトレーニングを積んでおらず、身についていないものである。

 武器とは能力である、と言える。能力は知識とスキルにより構成させているため、“学習と練習”を行えば誰でも向上できる。重要なことは正しい知識の習得と適切な練習である。これは個人で習得するには大変困難であり、かつ継続してブラッシュアップしていくことが求められる。

今後世界を舞台にビジネスを展開するにあたり、多様な国民性、文化、人種とのやりとりが増える。「空気」や「全般的状況」で仕事を進めるといった日本的な考えではうまくいかないだろう。だからこそ、仕事上の専門知識教育だけでなく、ビジネスの武器を身につけることが重要である。

 ビジネスの世界が戦いの場であるならば、丸腰では簡単にやられてしまう。武器を携え

闘志を持ち戦いに臨む、ことが生き抜くための方法である。

(川口和華)

今月の視点 7月[LEARNING SHOT] を更新いたしました

2012年6月29日 金曜日

こちらからご覧いただけます。 >>詳しくはこちら

“日本の教育を考える”

2012年6月29日 金曜日

今年の我が家の田植えに、セネガルの青年ジャワラくんと中国人女性袁さんの二人の留学生が手伝いにきてくれた。もうかれこれ、3年の付き合いになるが、二人とも好感のもてる若者である。田植え作業では、汚れや辛さを厭わず、黙々とかつキビキビとこなし、徐々に次の作業を想定して動くようになってきた。大変スマートである。そして彼らにとっては新兵器にうつる田植え機に異常な関心を示し、質問し、体験し、この機械のメカニズムを知ろうとする。                                               

  田植えが終わり、我が家に戻ると、ジャワラくんが納屋の一角を貸してくれ、と言う。そしてメッカはどっちの方向かと問う。床に紙を敷き、やおらお祈りを始めた。彼はイスラム教徒なのである。肉は食べない、酒は飲まない。国費留学で日本に来ている。あと一年でセネガルに帰り、国家機関で働くか大学の先生になり、日本で学んだことを祖国に活かす、と言う。英語、フランス語、日本語の三か国語が堪能、そして誇りある凛とした態度に彼の将来を確信する。

明治以降日本は、自らを近代国家に作り上げるために西欧文明の急速な搾取を必要とし、その学術研究と教育の最高機関として帝国大学を設置した。更に、その予科教育として1886年(明治19年)高等学校を設置された。この旧制高等学校の教育の理念は「教養」と「愛国心」である。旧制高等学校の定員と帝国大学の定員はほぼ同数、学生は受験勉強ではない勉強で人生を学び、鍛練し、リーダーシップを身につけた。戦前、戦後の日本を創った多くのリーダーは彼らだった。その彼らが世を去り、日本はリーダー不在でさまよい始めた。                                                   

日本の若者はこれでいいのか。日本の教育はこれでいいのか。「本学」を修めた、人生観、国家観(世界観)のある凛としたリーダーを育てたい。日本の教育を考えよう。(高原要次)

*7月23日「ラーニング・フォーラム2012」“日本の教育を考えよう”(ゲスト:呉善花氏)

今月の視点 2012年6月「くつろぎの空間」を更新いたしました

2012年5月31日 木曜日

こちらからご覧いただけます。 >>詳しくはこちら

2012年6月”サラマンカの想い出”

2012年5月31日 木曜日

  

2003年の春、まだ肌寒いスペインに行く機会がありました。行きたい国でもあったのですが、息子が留学で滞在しているサラマンカという都市を訪ねるのが目的でした。

サラマンカはマドリードから北西へバスで2時間半ほどの場所にある古都です。そしてここには旧市街とともにユネスコの世界遺産にも登録されている“サラマンカ大学”があります。

1218年に設立され、現存するスペイン最古の大学です。日本ではその頃は鎌倉時代です。約800年の歴史があるのにはびっくりしました。

16世紀の大航海時代には航海計画が綿密に練られた場所にもなっています。

サラマンカの街を歩いて気付いたのが、お土産品に“カエル(蛙)”をモチーフにした商品が多いと言うことです。「え?どうして蛙?」と不思議でしたが答えは大学の正面玄関にありました。建物にはたくさんの美しく細かな彫刻の装飾が施されていますが、その中のどこかに

“蛙”の彫刻があるのです。そしてそれを見つけると 学業が成就すると言われているとか。ですから玄関の前では多くの観光客が必死にこの“蛙”の居場所を捜していました。私も同じように捜しましたが、なかなか簡単に見つけられず、こっそり教えて貰いました。

スペインには、サラマンカ以外にも世界的に有名な観光場所が多く存在します。

バルセロナには「サグラダファミリア」、ガウディがデザインした「グエル公園」や代表的建築物「カサ・ミラ」、そしてグラナダにはイスラム芸術の最高峰「アルハンブラ宮殿」等....

 

日本の大学で秋の入学を検討していますが、確か息子がサラマンカ大学に入学したのも秋でした。

現在も世界各地から多くの学生がこのサラマンカに来るそうです。文化は勿論、最も美しいスペイン語が学べるのも人気の秘密なのだと思います。外国を訪れて文化の違いとかを新鮮な感覚で吸収するのは若人の特権かも知れません。

 家ではゆっくり過ごすことがないのだからと息子は私にペースを合わせてくれました。サラマンカは治安が安定しているので日本のように安心して散策した事を覚えています。案内されながら美しい建築物を鑑賞したり、買い物をした有意義で楽しい時間は今でも忘れられません。

(原口佳子)