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今月の視点 10月 「LEARNING SHOT」を更新しました。
2014年9月30日 火曜日2014年10月 『西郷隆盛と佐藤一斎』
2014年9月30日 火曜日書生時代を鹿児島で過ごし、桜島を仰ぎながら彼の地の歴史や風土に馴染み、自己の将来を模索したことは、その後の人生に大きな価値をもたらした。特に幕末・明治の薩摩の志士たちの物語に大きく影響された。西郷隆盛(吉之助)と大久保利通(正助)が代表であるが、私が抱く二人の人物像は司馬遼太郎や海音寺潮五郎の歴史小説から作られたものである。
特に鹿児島では西郷隆盛の人気が高い。西南戦争の悲劇性や風貌からくる親しみもあるが、何と言ってもその人間性や器の大きさであろう。では、西郷の人間性や器の大きさを作りあげたのは何だったのか。今まで深く考えることのなく、薩摩の郷中教育や藩主である島津斉彬の影響、奄美大島・沖永良部島への流罪の体験、徳川討幕や明治政府設立の働きの中で培われた総合的なものだと思っていた。多分間違ってはいない。しかし、本質ではない。 では、本質的なものは何か。それは、佐藤一斎の書物「言志四録」である。
西郷は、遠島にあった時に行李3つ分の書物を持参したらしいが、その中に「言志四録」があり、獄中で繰り返し繰り返しこれを読み、特に琴線に触れた101条を抜き書きして、座右の箴とし「手抄言志録」としていた。「言志後録」の210条に“識量は知識と自から別なり。知識は外に在りて、識量は内に在り”と書かれている。識量とは、見識、胆識とも言われるもので、知識が経験と修行を経て、その人の血となり肉となってできあがるものである。西郷は、「言志四録」をまずは知識として吸収し、経験と修行を通して自己を作り上げ、その究極の言葉が“敬天愛人”なのである。
「言志四録」とは、「言志録」、「言志後録」、「言志晩録」、「言志耋録」の四書の総称である。「言志晩録」の第60条に、“少くして学べば、則ち壮にして為すことあり、壮にして学べば、則ち老いて衰えず、老いて学べば、則ち死して朽ちず”とある、世に“三学戒”と言われる文章である。文字通り学びが人生を作る。
ラーニング・システムズ株式会社
代表取締役社長 高原 要次
「Facet5」「GTD」の紹介(体験)セミナーを開催します。
2014年9月21日 日曜日こちらからご覧いただけます。 >>詳しくはこちら
ラーニング・フォーラム2014 “道を作る、明日を創る” 開催のご報告
2014年9月5日 金曜日こちらからご覧いただけます。 >>詳しくはこちら
2014年9月 “ 心に残る優しい言動 ”
2014年8月29日 金曜日帰省先の鹿児島で乗った車内の出来事です。電車に乗っていると運転手さんが中年の女性に「次で良いから、今度乗ったときに一緒に払ってくださいね」と声掛けをしています。お礼を述べたその女性は、今度は、私の隣に座っている女性にお礼を言っています。「有難うございます。せっかくいただいたけど、このお金はお返しします。運転手さんが、今度一緒に払えば良いと言われたから・・」ともう一人の女性にお礼を言っていました。この中年の女性は小銭がなく車内で両替しようとしたのですが、両替機が故障だったようです。困っていたところ、隣に座っていた女性が何の躊躇もなく運賃を差し出したのです!「お互いさまですから使って下さい・・・」
私は鹿児島生まれ。小学校3年生から大学卒業までの14年間、市内を走る電車で通学しました。最初の登校日、私の降りる駅が終着駅とは知らず、「ここで降りますから!」・「降ろしてください!」と声を張り上げると大人の人は優しく道を開けてくれました。今では赤面する思いです。中学・高校時代は、重い通学カバンを下げていると、座っている人が必ず「持ちましょう」とカバンを膝に置いてくれたし、年配の人が乗車すると、さっと席を立って譲るのが当たり前でした。現在はというと、ズボンを腰まで下ろしている、ちょっと強面の男の子が、お年寄りに席を譲る光景をよく見かけます。鹿児島はまだまだ捨てたものじゃないなと思いました。私も良いところで育ったなと故郷に感謝です。こういう場面に出くわすと本当に心が和みます。
現在のわが国は、自分勝手で自己中心的な考え方で、行動し過ぎているような気がします。落ち着いた態度、節度、言葉づかい、周囲への気配り、気遣い、謙虚さ、礼儀正しさなどの心に残る優しい言動はどこで養われるのでしょうか。家庭や学校、社会に於いて教育の見直しが必要なのではないかと思うのです。
(原口佳子)
今月の視点 9月 「くつろぎの空間」を更新しました。
2014年8月29日 金曜日こちらからご覧いただけます。 >>詳しくはこちら
今月の視点 8月 「解決への手掛かり」を更新しました。
2014年7月31日 木曜日こちらからご覧いただけます。 >>詳しくはこちら
ストレスから解放され、高い生産性を維持するための解決策~ストレスフリーの仕事術 ワークフロー編~
2014年7月31日 木曜日仕事を進める上での基本的な考え方に「プライオリティ(優先順位)」という視点がある。ビジネスにおいては、複数の仕事を同時進行で処理していくことが殆どであるが、その際に“緊急度と重要度”で分類し、プライオリティの中で確実に仕事をこなしていく考え方である。但し、次から次へとやらなければならない事が多く出てくると、緊急に振り回され、重要度は高いけれども緊急でないと判断したものは後回しになり、一向に手が付けられないことも多くあるのではないだろうか。この状態からいつまでたっても解放されることがなく、常に色々な事が頭に浮かび、最終的に許容範囲を超えてしまった場合には、ストレスを抱え、集中力を無くし、結果、生産性を落としてしまうことになる。
このような状態を解決するためには大きくは2つのポイントがある。
①「気になる事」を残さず、いかに手軽に整理できるようにするか?
②整理できた状態をどう維持するか?
である。今回はこの2つを実践できるようにし、生産性を高めるための仕事術「GTD®:Getting Things Done」をご紹介したい。
GTD®は、次々起こる案件に追われる、またそれらが頭に思い浮かんでしまい集中すべき事に集中できない状況を改善してくれる画期的な仕事術である。ポイントは、「気になる事」を頭に残さず、一旦頭の外において、いかに集中すべき事に集中できるかである。
「GTDワークフロー」
●収集する: 新たに発生する仕事、気になる事をすべて集める 。
●仕分ける: 行動が必要なものかどうか、どのように行動するかを仕分ける。
●収納する: いつでも行動または処理できるように、整理しておく。
●更新する: 定期的に最新の状態に、収集~収納するまでを行う。
●選択する: 状況、優先順位に合わせて最適な行動・処理を選択する。
私自身もこれまでToDoリストに日々書き出していたが、デイリーや項目単位の書き出しで終わってしまい、“どのように行動するか”まで落とせていないため、未処理の仕事が溜まる傾向があった。GTDワークフローを使って“どのように行動するか”を仕分け、整理することで、気になる事を一旦頭の外に出し、日々のストレスから解放されることが期待できる。
(パフォーマンス・コンサルタント 菊池政司)
今月の視点 7月 「LEARNING SHOT」を更新しました。
2014年6月30日 月曜日こちらからご覧いただけます。 >>詳しくはこちら
2014年7月 “『大学で学ぶ・・・』”
2014年6月30日 月曜日以前、マドリードの西北西200キロのサラマンカに行ったことがある。この町のサラマンカ大学に通う息子に会うためである。この町は世界遺産に登録されている文字通りの大学の街、大学と教会群が醸し出す中世の雰囲気と街の佇まいに感銘をうけた。そして何より、「大学」というものの認識を、改めて考えさせられた。
高等教育の歴史を辿れば、最古の機関は紀元前の古代インドの「タキシラ」や「ナーランダ」であり、ギリシャの哲学者プラトンが作った「アカデミア」が有名である。日本では7世紀の天智天皇の治世に「大学寮」が創設されている。現在の「大学」であるuniversityとしては、イタリアの自由都市国家ボローニャの市民たちによって開設されたボローニャ大学(1088年)が最初で、他にイングランドのオックスフォード大学、ケンブリッジ大学、フランスのパリ大学、そしてスペインのサラマンカ大学が歴史ある大学の代表である。
驚くべきことに、ボローニャ大学は学生達がお金を出し合って教師を雇って運営されていたらしい。さらに言えば、大学の方が近代国家より先に成立している。オックスフォード大学、ケンブリッジ大学の成立は12,13世紀で、イングランドとスコットランドとが同君連合になるのは1603年、アメリカでもハーバード大学の成立は独立以前にさかのぼる。つまり、国家が大学を作ったのではなく、大学が近代国家をつくった。
翻って日本はどうか。1886年に帝国大学令での東京大学に始まり順次帝国大学が設置されていくが、その目的は西洋から近代国家のあり方を学び、それを日本に移植することである。その最高学府として国家が「大学」を設置し、お雇い外国人講師、西洋文献の翻訳から始めた。更に国家や産業にとっての有用性が重視され工学部、農学部への広がった総合大学へと発展した。明治期、国家の存亡をかけて近代化に取り組んだ我が国にとって、この大学制度は必須の要件だったかもしれない。医学、化学、農学等で世界に先駆けた研究もなされたし、それなりに功を奏した。
しかし今、大学のありよう、学生の学び方を変える必要がある。大学が「将来を支える人材を育成する専門機関」であるならば、単に講義を受けて単位を取得して大学を卒業するのではなく、「学び方を学び」、「考える力を身に付け」、「アウトプットの能力のある」学生になって卒業してほしい。そして、彼らがリーダーとなって、日本の“新しい明日”を創って欲しい。
ラーニング・システムズ株式会社
代表取締役社長 高原 要次